小集会(日本産肉研究会との共催)
「日本産肉研究会 第31回学術集会 ~なぜ放牧牛肉は普及しないのか~」
企画者:後藤貴文(北海道大学)
日時:3月28日 13:15-17:00
開催趣旨:我が国で生産される肥育牛の半数近くを占める黒毛和種は、枝肉格付はA-5,4 等級
が出荷頭数の8 割を占める。近年のコロナウイルス感染症のパンデミックや国際紛争などの諸問題
からの輸入穀物価格高騰、肉用牛の生産基盤のひとつでもある乳用牛の生産抑制など、日本の畜産
はいま、大きな分岐点に差しかかっている。日本産肉研究会では、放牧を含む国産飼料資源による
肉用牛生産、つまり持続可能な食肉生産方式の可能性について発足当時より議論してきた。国内に
は多くの耕作放棄地、エコフィードなどの未利用資源が存在する。それらを活用して生産された牛
肉は高値で取引される格付等級にはなりにくいため、生産者も経済的観点から国産飼料資源に依存
した経営を断念せざるを得ない場合も少なくない。畜産生産者と流通業者が生産および流通にかか
るそれぞれのコストに利益を加えた販売がなぜ実現しないのか?それが出来ていれば、現状の畜産
業界の窮状を救えたのではないか?
本小集会では、国内草資源のみで生産するニュージーランド産牛肉を先進的事例として紹介いた
だくとともに、生産から流通まで国内畜産業界、特に肉用牛に関しての諸問題を改めて参加者と共
有し、畜産の未来、方向性について議論することを目的として開催する。
プログラム:
1. 「ニュージーランドの放牧牛肉の歩みと現状」 David Allen (ニュージーランド大使館 予定)
2. 「流通業者から生産者に」花房俊一(株式会社北の牧場舎)
3. 「大学職員から販売者に」佐々木 学(株式会社わっか)
4. 「農経の視点から想う我が国の持続可能な畜産」(正木卓(酪農学園大学)
5.総合討論
*本小集会は日本草地学会と日本産肉研究会の共催により実施いたします。日本草地学会員および
日本産肉研究会員は本小集会に限り無料で参加いただけます。