企画集会

企画集会

「スマート放牧看視の現状と課題」

企画責任者: 渡辺也恭 ・柿原秀俊・平野 清(農研機構西日本農研)

開催日時:3月28日 13:15~15:15

開催趣旨:ICT 機器を活用した放牧管理技術が研究分野のみならず現場レベルでも普及展開しつ
つある。本集会では、市販化された放牧牛の行動・位置看視機器(GPS 首輪)について取り上げ、
各地域におけるこれらを用いた実証研究を紹介し、その現状と課題について情報共有を行う。
放牧を取り入れた牛の飼養管理は、舎飼い飼養で必要な、飼料の準備(収穫、購入、運搬、給与
など)、および畜舎の清掃などの労働コストが軽減される反面、放牧地や放牧牛の管理といった
新たな作業が必要となる。放牧牛の安否確認のための見回りや牛集めには、はじめに牛のおよそ
の位置を知ることが必要であるが、林地や見通しの悪い場所を含む放牧地では、牛探しが少なく
ない労働負担となる。また、牛の状態を長時間見られない状況は、管理者の不安感を生み、心理
的負担となる。
GPS首輪を家畜に装着してその行動圏を解析する研究は、1990 年代後半から行われ、現在では放
牧家畜の行動を知る上で有力な方法の一つとなっている。ただし、バッテリの重量過多や交換頻
度の多さ、GPS 首輪から得られたデータの回収方法(通信技術の問題)、およびGPS 首輪自体が
高価など、さまざまな問題があり、放牧飼養を行う経営体が日常管理に利用するレベルではなか
った。
最近、ICT 技術やバッテリ性能の向上等により、放牧を行う経営体向けにGPS 首輪を利用した牛
の位置看視サービスが始まった。現在、まだ発展途上であるが、比較的安価に利用できる画期的
なサービスであり、今後が注目される。本集会では、プロジェクト研究等により、牛の位置看視
サービスについて運用試験を行っている研究担当者等から話題を提供して頂き、その現状と今後
の展望について検討を行う。

プログラム:

1.放牧牛管理システム「うしみる」について     北岡 智(株式会社GISupply)
2.熊本県阿蘇地域での実証例            津田健一郎(熊本県草地畜産研究所)
3.島根県三瓶、隠岐地域での実証例         小林寛生(島根県畜産技術センター)
4.「うしみる」で得られたデータの活用例      渡辺也恭(農研機構西日本農研)

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